歌手:坂本冬美
作詞:ちあき哲也
作曲:徳久広司
行ってしまった……
書きかけの原稿を 投げつけるほど
女の一途は うるさいですか…
愛することは 燃えること
食卓(テェブル)を転げ落ちて ひび割れた
薩摩切子(きりこ)の紅玉(ルビィ)の色に…
あなたの心が 桜なら
ちらりほらり 誰にでも 散ればいい
千すじの 黒髪が
夜道を追いかけ 夜叉(やしゃ)になり
褥(しとね)を邪魔する 幻惑(ゆめ)を見る
あなたは私の ものだから
二三日すればまた 悪びれもせず
猫なで声させ 帰れる人よ…
愛することは 許すこと
へ理屈も癇(かん)に障(さわ)る おまえだと
銀の洋杖(ステッキ) ぶったらいいわ…
あなたを選んだ 罰なのか
泣いてみても 様になる 年じゃない
千すじの 黒髪の
一すじ 一すじ くちづけて
詠(うた)えば今夜も 耐えられる
あなたの気配の ない家も
千すじの 黒髪は
紅蓮(ぐれん)に身悶え 待つでしょう
不甲斐がなくても 仕方ない
あなたが宿命(さだめ)の 男なら